アル中に会う2 ”スーパーの袋との関係”

 

     度重なる変な奴との遭遇により、私は一つの悟りを開いた。古汚いスーパー

     の袋を持っている奴は総じてヤバイ奴だと。たいていその中身は酒だったり、

     ごみ箱から拾い集めたカン、ビンだったり。(スウェーデンではお金に還元出来

     ます)そういう奴に限って酒くさい息と「おまえは一体何週間風呂にはいって

     ないんだ?!」と聞かずにはいられない体臭を撒き散らしバス、電車の中で

     とぐろを巻く。ある日、私はいつも通リバスに乗り家路に向かっていた。途中

     の停留所で「あっ!奴だ!」と思った。そう、何回か見たことがある50〜60代

     ぐらいのオヤジが例のごとくスーパーの袋を持って乗り込んできた。「たのむ

     から近くに座らないでくれ〜!」と言う私の心の願いもむなしく奴は私の前の

     席に腰を下ろした。なんだか、犬嫌いの人の所に限って犬が近寄って来るの

     に似ている。そして、これまた例のごとく、風呂に一ヶ月は入ってない様な

     何とも言えぬ悪臭が奴からぷんぷん臭ってくる。「うい〜、なんたらかんたら〜」

     とか何とか言って早速ぶつぶつ独り言を言っている。車内にはすでに結構人が

     いて他の席に移りたかったがだめだった。このまま何事も無くすぎてくれ〜と思

     っていた矢先、突然奴が振り向いて私に「おい、今何時だ?」と聞いてきた!

     ひえ〜!と思いつつ何とか返事をした私の顔をしげしげ見ながら奴は「おう、

     もうそんな時間かよ。」と言った。楽観主義者の人なら、ああ、そんな質問

     だけで良かったね、と思うかもしれないが、私は悲観主義である。奴の前にも

     通路を挟んだ横にも乗客はいた。それなのになぜにわざわざ後ろを振り向いて

     この私にきいてくるんだ?!と被害者意識に猛烈にかられた。奴が私に

     話し掛けた時、まわりが一瞬シンとなったのが忘れられない。もし奴がからんで

     きていたら他のスウェーデン人たちは一体この移民の東洋人を助けてくれた

     だろうか。       

     ホームレスの数は日本の方が圧倒的に多いですが、町を徘徊

     するアル中は絶対スウェーデンの方が多いと思います。福祉先進国として名

     高いスウェーデンにも救済しきれない人々がたくさんいるのです。

 

 

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